農業共同体見聞録&農業共同体設立記

日本中の農業共同体、農業コミューン、エコビレッジ、農業シェアハウスの訪問記と、東京都西多摩郡檜原村での古民家シェア&ゲストハウスと里山シェアリングの設立記!

農業共同体見聞録09 狩太共生農團・有島記念館

~訪問記~

 次の訪問先は現存する農業共同体ではありませんが、日本の農業共同体の先駆けともいえる「有島農場」です。

【ウェブサイトも開設しました!纏まった情報はそちらに掲載!】

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・1日目

 10月30日(日)、9時過ぎに余市のビバハウスさんを出発して、南下して、余市赤井川村の間のトンネルを抜けると…突如一面、雪景色に!余市は紅葉シーズンくらいだったのに、いきなり真冬!びっくりしました…。

 

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突然の雪景色

 

 慎重に走りつつ、赤井川村を抜け、羊蹄山を眺めつつ倶知安町を抜け、ニセコ連峰を眺めつつニセコに入ると、有島記念館に到着です。元は「狩太共生農團」という組織でしたが、解散し、今はその記念館が残っています。

 

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蝦夷富士」羊蹄山

 

 私は北海道にいた頃、有島記念館に何度か来ましたが、写真撮影と資料購入の為に訪れました。でも、ここは何度来ても素敵な所です。ニセコの大自然と大正の浪漫が生み出す空気が何とも言えません…^ω^

 

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ニセコ連峰ニセコアンヌプリ

 

 

 狩太共生農團は戦前、北海道狩太村(現ニセコ町)で大正時代の作家、有島武郎が、農地を小作人達に解放し、設立した、土地共有、資材や機械の共同購入・共同利用、市場への共同・直接販売などを行った農民の組合です。

 有島武郎は大正時代の日本の有名な作家であり、幅広い執筆活動をしていましたが(代表作は『カインの末裔』『小さき者へ』『生まれ出づる悩み』『或る女』『一房の葡萄』など。武者小路実篤志賀直哉らと『白樺』発刊)、社会主義思想、トルストイクロポトキンに影響を受け、父、有島武(明治政府の官僚だったが、実業界に転身、成功した)から相続した、450ha (東京ドーム100個程) の農場を、小作人達に解放、共生農團としました。

 

 1949年の農地改革で農團は解散しましたが、有島農場があった地に、有島記念館や関係史跡が残っています。

 国道5号線からニセコ駅に抜ける道の右側に「狩太共生農團入口石碑(写真参照)」が立っており、入ると…

 

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狩太共生農團入口石碑

 

有島記念館(写真参照)、有島謝恩会館(写真参照)、旧有島農場事務所跡があります。旧有島農場事務所跡は、解放前は有島農場の事務所 兼 有島武郎の住居、解放後は狩太共生農團の事務所、解散後は初代「有島記念館」でしたが、1957年に火災で焼失。1963年に元組合員や地域住民の協力により、有島謝恩会館が建設されました。そして、1978年、ニセコ町有島武郎生誕100年を記念して、現在の有島記念館を設立し、今に至ります。

 

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有島記念館

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有島謝恩会館

 

 また、有島武郎小作人達に農場開放を宣言した、弥照神社(写真参照)、農場開放を記念して建設された、解放記念碑(写真参照)もあり、周辺には、かつて狩太共生農團だった農地(写真参照)が今も耕されています。

 

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弥照神社

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解放記念碑

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農場

 

有島武郎1920年頃、創作不振に陥り、その原因を、親譲りの財産、農場に依存する「悪い生活」にあると考え、それらを清算し、額に汗する生活を送る事で、自らの芸術を再生させる事を願い、農場開放を決心します。

1922年07月18日、弥照神社に小作人達を集め、小作人達が相互扶助的な自治組織を結成し、農地を共有する前提で、農地の無償開放を宣言。翌年、武郎は死去しますが、1924年、「狩太共生農團」が設立されました。

 小作人は出資金を出して団員となり、総会、委員会等の合議制で運営して、農地共有、共同購入、共同利用、共同・直接販売等の事業を行いました。昭和の農業恐慌、冷害、借金返済、戦時の統制経済、若者の出征、資材不足、と多くの苦難を一致団結して乗り越えますが、1949年第2次農地改革で解散させられてしまいました。ですが、今では記念館が建設され、有島武郎と団員達の理想と実践の記憶は、今もニセコの地に息づいています。

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有島武郎

 

農業共同体見聞録08 ビバハウス

~訪問記~

余市の農業共同体、3か所目は「ビバハウス」さんです。農業でひきこもりの若者の自立支援をしてます。 

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・1日目

 10月22日(土)、09時過ぎに余市エコビレッジの皆様とお別れし、といっても、私が10時過ぎ出発予定で、皆さんが09時頃に出掛ける為、私が皆さんを送り出すという良く分からない状況になりながら、送り出して、10時過ぎまで余市エコビレッジさんで農業共同体見聞録を書いて、戸締りをして、次の目的地へ出発しました!で、10分で到着。早い!次の訪問先も北海道余市郡の「青少年自立支援センター ビバハウス」さんです。

 

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ビバハウスの宿舎

 ビバハウスは、農業や地元での就業体験、集団生活を通して、ひきこもり等の若者の自立支援を行う団体です。北海道余市郡余市町余市教育福祉村内の、プレハブ小屋を繋ぎ合わせて建てた家で、代表の安達ご夫妻、スタッフさん1名(もう1名外部研修中)と、ひきこもり等の過去を持つ、10人前後の若者が共同生活をしながら、ビバハウスの農場での農作業や、地域のアルバイト等の就業訓練を通し、若者の自立、社会復帰を目指します。

 

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代表の安達ご夫婦とスタッフさん

 

 まずは宿舎で安達夫妻とお話しし、夫妻の経歴やビバハウスの歴史を伺い、お昼もご一緒させて頂きました。

 ビバハウスの代表の安達夫妻は、北星余市高校という、全国から中途退学者や不登校児を受け入れる私立高校(「ヤンキー先生」こと義家弘介さんの母校で、奥様の俊子さんは義家さんの担任でした)の教員でした。

 俊子さんの退職後、ある卒業生の女性を助ける為に、プレハブでの共同生活をスタートさせ、以来16年間、様々な問題を持つ若者と「365日24時間のまるで『野戦病院』のような日々」を過ごしてきたそうです。

 

 当初はこれでお暇する予定だったのですが、午後は旦那さんに余市町内を案内して頂き、泊めて頂ける事に!

 最初は宿舎から車で15分程のビバハウスさんの「モンガク農場」を見せて頂きました。7haの土地に露地とビニールハウスの圃場があります。ここで、若者達が農作業をしているそうです。まだミニトマトが取れました。

 

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モンガク農場

 

 そして、ワイナリーや、余市で初めて林檎の樹を植えた農家さんや、余市の昔の港湾の宿泊施設(国指定史跡、重要文化財)や、余市の海や、余市の山や、余市の農業地帯を見せて頂き、余市観光を満喫させて頂きました。

 

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余市の海

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余市の山

 

 その後、宿舎に戻り夕食を頂き、翌朝、朝食を頂いて出発しました。頂いてばかりで申し訳なかったですが(笑)明日はニセコ留寿都を経由して、札幌に行き、戻って豊浦に抜けて、函館に行き、青森に渡ります。1日で!

 

農業共同体見聞録07 余市エコビレッジ

~訪問記~

 余市の農業共同体、2か所目は「余市エコビレッジ」さんです。農業体験、エコカレッジなど面白い活動をしています。

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・1日目

 

10月26日(水)、余市余市エコビレッジさんにお邪魔しました。今朝までは「えこふぁーむ」さん、今日からは「エコビレッジ」さんです。名前も似てますし、地域もすぐ近く(車で5分くらい)ですが、別の所です。

 

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余市エコビレッジのあるモンガク谷

 

今朝は9時過ぎにえこふぁーむの牧野さんとお別れし、小樽で買い物や用事を済ませ、その後、余市に戻ってエコビレッジさんにお邪魔しました。

 

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シェアハウス

 

エコビレッジさんは、普通の農家さんや農業法人の様に生産、出荷が主要な事業、という訳ではなく、もちろん、農業はしますが、農業を通じて、農業体験や自然体験、エコな生活の講座、などを行いつつ、そこのスタッフさんが農場のシェアハウスなどで生活を送る、と言う様な形態の場です。

 

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スタッフ住居

 

今日は代表の坂本さんにお話を伺い、夕方から地元の温泉に、スタッフさんや地域の若者(と言っても、以前、エコビレッジにいた方)と一緒に行き、その後、シェアハウスでスタッフさんとキムチ鍋を作って食べました。

 

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ワインブドウ

 

農業というと、生産、出荷がメインである事が普通ですし、もちろん、エコビレッジさんもちゃんと農作業はしていますが、地域や地域外の人達も巻き込んだ、農業体験などをメインとする方法もあると、目から鱗でした。

 

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生食用ブドウ

 

・2日目

10月27日(木)も余市余市エコビレッジさんにお邪魔しております。今朝はシェアハウスで皆さんと朝食を頂き、葡萄の棚下ろしの作業です。が、その前に、倉庫に住み着いた、ノラ猫の赤ちゃんと触れ合いタイム。

 

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代表の坂本さんとノラ猫の赤ちゃん達

 

で、春〜秋は葡萄棚に葡萄の枝を吊るしていますが、冬の間も吊るしっぱなしだと、枝に雪が積もり、葡萄棚が潰れるので、地面に降ろします。副梢という、細い枝を鋏で切って、バンバン地面に引きずり降ろします。

 

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引きずり下ろす、スタッフのミナさん

 

続いて地元の体験農家さんの所にそば打ち体験をしに行きました!青い作務衣を着て、格好だけはそば職人になりきり、そば打ちです。…やけに太いそばになりましたが、生地の味が良いのでノープロブレム。

 

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格好だけはソバ職人松岡

 

その後、地元のワイナリーを二軒、見学させて頂きました。一軒は日本清酒が経営する、巨大なワイナリー、もう一軒は個人のワイナリーです。自分でお酒を作れるのは良いですね。…酒造免許か酒販免許取ろうかな…

 

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余市ワイナリー

 

で、エコビレッジに戻って、夕食を頂きます。昨日の鍋の残りで作った雑炊です。これまで訪問した場所では、ガッツリ農作業をしていましたが、農作業も終ってて体験も少ない時期だからここでは割とのんびりです(笑)

 

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地元の農家さんとお昼

 

・3日目

10月28日(金)も余市余市エコビレッジさんにお邪魔しております。今朝はノラ猫の赤ちゃんどうする会議で癒されていましたが、昼間は仕事は休みで、パソコンをいじってたり、余市の行きたい所に行ってました。

 

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ノラ猫の赤ちゃん

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ノラ猫の赤ちゃんどうする会議

 

今日の本番は夜からです!18時にエコビレッジの学び舎に地域の協力農家さんが集まって、エコビレッジから協力農家さんに、ここ数カ月のエコビレッジの活動報告を行い、良かった点や反省点などを話し合いました。

 

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モンガク谷の皆さんと会議

 

そして、19時からは学び舎で、地域の協力農家さんも交えたまま、半年間、エコビレッジで働いた、ボランティアの方の送別会が行われました!持ち寄ったお酒や料理を飲んで、食べて、歌って、踊って(本当に踊った)大盛り上がりでした!

 

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会議はついででメインはこっち!?

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歌うモンガク谷の仲間達

 

仲間や地域で、深い絆があるというのは、良いものだなぁと、しみじみ感じました。一旦お開きになった後も、ボランティアさんと数人で、夜遅くまで語らっていました。去る人も、送る人も、こういう別れなら幸せですね。私はノラ猫の親子に洗濯カゴとシーツをくれてやり、就寝しました。

 

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幸せに送られるボランティアのトモさん

 

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農業共同体見聞録06 えこふぁーむ・農民芸術学校

~訪問記~

今日は余市の有機農場えこふぁーむさんにお邪魔し、そこの牧野さんの農民芸術学校構想を伺いました!

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・1日目

夕方、千歳を出発し、札幌を避けて、長沼、南幌、江別、当別、石狩、小樽…と、空知南部から石狩日本海側へ、夕陽を観ながら抜けていきます。

 

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長沼から観た恵庭方面

 

18時過ぎ、余市のえこふぁーむさんに到着して、牧野さんと夕食をご一緒させて頂きました。そこで牧野さんの生い立ちや有機農業や農業共同体について、お話を伺います。大学時代から有機農業や農業共同体について調べていただけに、造詣が深いです!

 

食後、農場に戻って、出荷作業をお手伝いさせて頂き、その後、牧野さんの書斎を見せて頂きました!農業共同体に関する本が沢山…見たことない本や、アマゾンで見たけど売り切れだったり、高くて買えなかった本も…ここに数日籠って本を読んだたいくらいです…

 

私は「ドームハウス」に案内されました。ドーム型の屋根の木の家です。現在、ここは倉庫、作業場として使っていますが、将来、ここを牧野さんが主宰する農民オーケストラのイベントに使ったり、牧野さんが構想する「農民芸術学校」の舞台としたいと語っていました。

 

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ドームハウスと私のジムニー

 

農民芸術とは、宮沢賢治が「農民芸術概論綱要」で考えたもので、もの凄くザックリいうと、金を貰う芸術家による、金を出す金持ちの為の芸術ではなく、一般の人々=農民による、農民が楽しく幸せに暮らす為の、日々の労働や生活の発露としての芸術を実践しようという主張です。
牧野さんはその考えに感銘を受けて、「北海道農民管弦楽団」という、農民のオーケストラを主宰しつつ、いつか、この地で、農業と芸術を教える「農民芸術学校」を作りたいと構想しています。このドームハウスも、その学校の施設…コンサートやイベントを開ける場所にしたいとの話でした。

 

~訪問記2日目~

今日も余市のえこふぁーむさんにお邪魔しています。今日はえこふぁーむさんに、ニューヨーク出身、岩内在住で牧野さんのオーケストラに参加しているクリスティンさんもボランティアで来ており、牧野さんと三人で作業しました。

 

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左のクリスティンさんに説明する右の牧野さん

 

まずは葡萄と林檎の出荷の準備を手伝い、続いて豆とじゃが芋の収穫を手伝い、その後、牧野さんに農場を案内して頂きました。農場の面積は約4ha=4万㎡、東京ドーム一個分(約4.7ha)の1割〜2割引きくらいで、現在使用しているのはその約半分です。(°▽°)広い!


主力は果樹の葡萄、林檎、サクランボ、梨などで、その他、プルーン、プラム、キウイ、杏子、梅、桃、ベリー類の木、野菜もじゃが芋、インゲン、トマト、ハーブ類…と挙げればキリがないくらい、沢山の作物を作っています!\( ˆoˆ )/キリガナイ

 

その後、牧野さんの畑を借りてるという、こちらもオーケストラ繋がりの久保田さんもいらっしゃり、一緒にお昼ご飯に。ご飯とお肉、豚汁に、デザートで林檎や葡萄、クリスティンさん、久保田さんが持って来てくださったお菓子も頂きました☆( ͡° ͜ʖ ͡°)

 

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お昼御飯後の左からクリスティンさん、久保田さん、牧野さん

 

午後も引き続き農場を案内して頂き、その後、豆の収穫、栗拾い、南瓜の収穫をして、今日の作業は終了。夜は牧野さんに温泉とご飯に連れて行って頂きました!その後、ドームハウスで牧野さんと飲み会?です。ビールや余市産ワインを頂きながら、農業共同体や、農民芸術学校構想について伺います。

古今東西、色々な人が色々な夢や理想を持ち、仲間を集めて、自分達の理想の社会、コミュニティを作ろうとした、農業共同体、ユートピア運動。若い人に、有機農業やオーケストラを教え、次代に引き継ぐ、農民芸術学校は、牧野さんが考える、ユートピアを作る為の試みなのかもしれません。

 

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農業共同体見聞録05 沼田共働学舎

~訪問記~

農業共同体見聞録、5か所目の訪問先は、共働学舎さん3か所目、「沼田共働学舎」さんです。

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沼田共働学舎宿舎

 

・1日目

 10月21日(金)、火曜の午後から金曜の朝まで、道北の士別市の農家さん(寧楽共働学舎の代表の毛利さんの娘さんの嫁ぎ先です)にお邪魔していましたが、前の夜から当日朝にかけて雪が降り、10㎝以上積もりました…

 一応、スタッドレスタイヤは履いているものの、春~秋まで履き潰していた為(北海道に来るとは思ってなかった為…大した距離は走ってませんが…)おっかなびっくり運転して、雨竜郡沼田町の沼田共働学舎さんに出発。

 雪の積もる士別市街を抜け、道央自動車道を慎重に走り、旭川を過ぎると雪が消え、深川留萌自動車道を走り、

なんとか時間ぎりぎりアウトで沼田共働学舎さんに着きました。

 

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沼田町の風景

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沼田共働学舎のある丘

 

 沼田共働学舎さんの農場は、石狩、空知平野北端の雨竜郡沼田町の南西、大きな牧場がある、丘陵に位置します。

 建物は、1992年に自分達で建築した、地上3階、地下1階の宿舎と、鶏1300羽を飼う鶏舎があります。

 ここの代表の大橋さんにお会いし、鶏舎や作業場を案内して頂きながら、沼田共働学舎さんの話を伺いました。 沼田共働学舎の設立者で現代表の大橋さんは、共働学舎設立者、宮崎眞一郎さんの教え子で、信州共働学舎や寧楽共働学舎の立ち上げに携わった、福澤さんという方の奥様の弟さんです。大橋さんは最初は寧楽共働学舎にいましたが、養豚事業を拡大する為、沼田共働学舎を設立。ですが、養豚は上手くいかず、養鶏を始めました。 

 

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沼田共働学舎宿舎

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鶏舎のひよこ

 

2006年には共働学舎がNPO法人になりましたが、NPO法人になると事務手続きなどが煩雑になるので、NPOに入らず、共働学舎ではあるが、NPO法人共働学舎には所属していない、という今の体制にしました。

 かつて沼田共働学舎には、大橋さん夫婦とお子さん4人に共働学舎のメンバーも含めて、10数人いた時期もありましたが、現在は、大橋さん夫婦とお子さん2人に、NPO共働学舎の男性1人の5人で生活しています。そして鶏1300羽ほどを飼い、鶏卵を1日800個ほど取って、自然食品の販売会社へ卸したり、直売しています。

 

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自然食品の販売会社に卸す卵

 

 1時間ほどの滞在でしたが、興味深いお話しを伺えました。12時前にお別れし、今度は道央方面へ戻ります。

 

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道央方面

農業共同体見聞録04 耕せにっぽん

~訪問記~

農業共同体見聞録、4か所目は北海道と石垣島ニートやひきこもり、不登校などの若者の研修生を受け入れる、耕せにっぽんさんです。

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別れ際の集合写真

 

・1日目

 10月16日(日)、十勝の新得町新得共働学舎さんを出発して、国道274号線の日勝峠は通行止めだった為、(道東自動車道占冠十勝清水間が無料だと知らずに)国道38号線狩勝峠を越え、トマム占冠を抜け、国道274号線に入ります。

 

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狩勝峠から十勝方面を臨む

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星野リゾートトマム(高くて泊まれないので、見るだけ☆)

 

日高山中を抜けた所で道道462号線に入り、石勝線、道東自動車道沿いに森と畑の中を抜け、北海道の玄関口、新千歳空港の西、小樽、札幌~千歳、苫小牧の都市部西方の田園地帯、勇払郡安平町の「耕せにっぽん」さんに14時頃、到着しました。

 

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日高山中

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田園地帯から札幌方面を臨む

 

耕せにっぽんさんはニート、引きこもり、不登校といった若者を研修生として受け入れている農業法人です。過去10年間で約160人の研修生を受け入れ、その内130人程は学校への復帰や、就職、就農を果たせました。

農場の敷地は南北に住宅地、東西に森が広がる場所にあり、駅や市街地に近い一方、自然も豊かな場所です。敷地の南側に宿舎「スイッチオンハウス」やゲストハウス「試され荘」、数棟のビニールハウスが並んでいます。

 

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宿舎「スイッチオンハウス」

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古民家ゲストハウス「試され荘」

 

 到着したら早速、じゃが芋の選別のお手伝いをする事になりました。耕せにっぽんの研修生(耕し隊)やスタッフの皆さんにお話しを伺いながら選別しました。

 仕事の後は、宿舎の食堂で夕食を頂き、そのまま食堂でPCを使って、農業共同体見聞録を書きつつ、皆さんとお話しをして、お風呂に入って、23時には消灯時間です。

 

・2日目

10月17日(月)、今朝は6時に起床。朝食は7時からですが、皆さん、7時前には食堂に集まって、お世話係のマリさんが朝食の準備をするのを手伝っていました。7時45分から朝礼をして、8時30分から仕事を開始。黄色、オレンジ、紫と、カラフルなミニ人参を収穫しました。他にも、じゃが芋、さつま芋、南瓜、人参、とうもろこし、枝豆、ニンニク、キクイモ、大豆、パプリカ、ビーツ、唐辛子、契約栽培の韓国野菜を栽培していて、出来た野菜は会員さん(耕援隊)に発送したり、地元の直売所で販売したり、自分達で食べているそうです。

 

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圃場

 

12時から食堂で昼食を頂き、昼食後、食堂で社長の東野さんやメンバーの皆さんと、「人狼」ゲームをしました。学生時代に数回だけやった事がありましたが、改めてやってみるとなかなか難しいですが、面白かったです。

14時から午後の仕事開始。じゃが芋の選別と出荷の準備です。今日は特別に16時に午後の仕事を終わらせ、16時半から食堂でワークショップをやる事に。寸劇です。4、5人でチームになって、1時間で台本から寸劇を仕上げます!もちろん私も参加させて頂く事に。なかなかタイトな時間制限でしたが、何とかやり遂げました…

夕食まで食堂でまた「人狼」をやり、19時から夕食を頂き、夕食後も食堂でまた「人狼」ゲームをやって、この日は翌日が火曜で休みの為、24時が消灯です。

 

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食堂(人狼ばっかりやってた)

 

・3日目

 10月18日(日)、今日は仕事が休みの為、朝食の準備もないので、前日の夕食のカレーの残りを頂きました。そして、今後の行く先に連絡をして、準備をして、次の目的地、道北の士別に出発!と思ったら、呼び止められ、皆さんと集合写真を撮らせて頂く事に!全員は揃いませんでしたが、素敵な想いでの一枚になりました。感激!

 

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別れ際の集合写真、再掲

 

 耕せにっぽんはニートや引きこもりの研修生が多いですが、雰囲気は凄く明るく、和気藹藹としていました。「言いだしっぺ」中村さんや、社長の東野さんの明るい気さくな人柄、お世話係のマリさんの気配りと優しさ、元研修生で同じ様な過去を持ったスタッフさん、自分を変えようと努力する研修生達、耕せにっぽんのメンバー全員の前向きな姿勢が良い雰囲気を作り出していました。ニートや引きこもりなど、不規則な生活を送りながら、社会との関係を断っていた若者も、きちんと朝起きて、しっかり3食食べて、思いっきり働く事で元気になり、同じ様な悩みを持つ仲間や、親身なスタッフさんとの集団生活で社会性を取り戻せるのだと感じました。

 

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おまけ。耕せニッポンで育てたホップを使った「ひきこモルツ」

農業共同体見聞録03 新得共働学舎

~訪問記~

 農業共同体見聞録、3か所目は寧楽共働学舎さんに続いて、新得共働学舎さんの農場です。

【ウェブサイトも開設しました!纏まった情報はそちらに掲載!】

http://matsuokakenji.wixsite.com/nougyoukyoudoutai

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・1日目

 10月13日(木)午前は留萌郡小平町の寧楽共働学舎さんで小麦の搬入を手伝い、お昼ご飯を頂いて、出発。

空知西部の山の中を抜け、空知北部の田園地帯を抜け、空知中央の山の中を抜け、富良野の平野部を突っ走り…

 

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空知の田園地帯

 

15時半頃、上富良野の農場付きシェアハウス「Gufoの森」さんを見学させて頂き、お話しを伺って、出発。

富良野の平野部を南下し、道道38号線狩勝峠を超えて、18時頃、新得町新得共働学舎さんに到着しました。

 

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富良野と十勝の間、狩勝峠から十勝方面を見た景色

 

新得共働学舎さんの象徴的な建物である、食堂兼住居に案内され、そこの2階で寝泊まりさせて頂ける事に!

 

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新得共働学舎の食堂兼住居

 

19時半から食堂で夕食を頂きます。宮嶋代表夫妻の隣の席が空いており、そこで二人のお話しも伺えました。新得共働学舎さんは寧楽共働学舎さんと同様、心身に障害や病気を持つ人、不登校や引きこもりなどだった人を受け入れている、NPO法人共働学舎の農場で、人数は寧楽の3倍近く、75人前後がいて、酪農とチーズ造りが主力の事業です。ここのチーズは国内外の数多くの賞を受賞、新得共働学舎の2億円以上の売り上げの大部分を占め、チーズを目当てに来るお客さんはもちろん、国内外からの視察者、研修生も数多くいるそうです。

 

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チーズ貯蔵庫

 

・2日目

 10月14日(金)、今日は5時に牛舎に行く予定だったが、3時半頃に目を覚ましてしまい、牛舎に行ってみたら、4時前から子牛の哺乳をやっている人がいて、びっくり。でも、仕事はないと言われたので、5時に出直し。

 

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牛舎

 

 5時から7時まで牛舎の掃除(牛糞の片付け)をして、7時半から朝食を頂き、8時15分からミーティング。ここの仕事は、代表や上司がメンバーに指示、命令を出すのではなく、メンバーが自分の希望や適性に合った仕事を選び、今日何をやるか、自分で決めて働きます。それでちゃんと農場が運営出来ているのだから不思議です。私は午前中は野菜の仕事を手伝うことに。南瓜の移動やハウスのネット張り、玉葱の袋詰め等を手伝いました。

 

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農場

 

 12時からお昼を食べて、14時までの休憩時間中に農場内の施設の写真を撮りまくりました。80ha近い敷地に、メンバー全員が集う食堂兼住居や、山小屋風の住居数棟、研修生寮といった生活の場や、牛舎、搾乳室、チーズ工房、豚舎、鶏舎、厩舎、羊小屋、養蜂場、田んぼ、畑、農業用ハウスといった農業施設や、カフェ兼売店「ミンタル」、都市農村交流体験施設「カリンパニ」等の施設があります。木造のお洒落な建物が多いです。

 

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カフェ兼売店「ミンタル」

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都市農村交流体験施設「カリンパニ」

 

 午後はじゃが芋の収穫です。ここでは「バイオダイナミック農法」という、有機農法で作物を育てています。今年は天候不順や台風の影響で作物の成長が悪かったそうですが、それでもじゃが芋が沢山収穫できました。

 そして、夕食後、宮嶋夫妻の部屋にお招き頂き、ワインやチーズやソーセージなどを頂きながら、宮嶋夫妻に40年近い新得農場の歴史と、メンバーの精神的な自立、新得共働学舎の経済的な自立への想いを伺いました。

 

・3日目

 10月15日(土)、朝食後、午前中はチーズ工房見学をさせて頂ける事になって、8時45分から見学スタート。新得共働学舎さんの看板商品、ナチュラルチーズの製造工程を見せて頂けました!マニュアルやセンサー等に頼らず、その日の牛乳の状態、工房の環境、チーズの状態で、作業の時間や進め方を判断する…職人の世界でした。

 

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チーズ造り

 

 午後はじゃが芋収穫、福祉系の大学生が体験に来ました。手作業でじゃが芋を拾うので、人数が多いと助かる!

 

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体験に来た学生達

 

 午後の仕事の後は夕食のコロッケ作りの手伝いです!ひたすら小麦粉と卵を付けて、パン粉をまぶしました!で、夕食を頂き、メンバーの方3人に誘われて、ボードゲームをする事に。せっかく、共同生活をしてるなら、こういう楽しみは欲しい物ですね♪そんなこんなで夜は更けて、今日で新得共働学舎さん滞在はお終いです。

 翌日は、朝食を頂き、準備をして、代表の宮嶋望さんに挨拶して、次の目的地、千歳方面へ向かいました。

 

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右の新得山、左の牛乳山の麓に農場があります。