農業共同体見聞録&農業共同体設立記

日本中の農業共同体、農業コミューン、エコビレッジ、農業シェアハウスの訪問記と、東京都西多摩郡檜原村での古民家シェア&ゲストハウスと里山シェアリングの設立記!

農業共同体見聞録21 ワカゲノイタリ村

~訪問記~

 農業共同体見聞録、西日本編スタート! 最初の訪問先は沖縄県名護市、沖縄の入り江の畔で自給自足と新しい価値観の提案を目指す、「ワカゲノイタリ村」さんです。

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 01月17日火曜、晴れ。前日の夕方に那覇に着き、国際通りを歩いて回り、当日はレンタカーを借り、首里城を見学。お金がないので高速道路は使わず、本当西岸の海岸沿いを走り、辺野古岳北側の道路で本島東岸に行き、大浦湾西岸で本島の北東部の東岸を走る国道331号線に入ります。国道331号へ入った交差点から3分程走り、トンネルをぬけ、大浦湾の入り江の上の橋を渡り左折すると建物があります。そこがワカゲノイタリ村です。

 

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入り江を渡る橋の上から村を望む

 

 村に着くと、よく村に遊びに来ているという女性に出迎えられ、同じくよく村に遊びに来ている高校生の男の子と、島袋さんという村の住民の方にお会いしました。そして、少し遅れて村長の具志堅さんも到着しました。

 

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村の住居

 

 ワカゲノイタリ村は遊休地と作業小屋があった場所の、土地と建物を借り、敷地の雑草を刈り、小屋を改修し、人が暮らせる状態にしたそうです。小屋は外壁がカラフルな色で塗られ、電気も水道も通っていて快適そうで、敷地も奇麗に雑草は刈られ、小さな菜園や鶏小屋もあります。また、すぐ隣りが大浦湾の入り江になっていて、満潮の時は海に、干潮の時は広い砂浜になります。敷地から少し離れた場所で田畑を借りて農業もしています。 

 

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村の敷地

 

この場所で衣食住の自給自足を目指しつつ、人を呼んで夜に映画を観る「ほしぞらシアター」やピザ窯造りのワークショップ等のイベント、海外のインターン生を受け入れといった活動もしています。

 

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干潮時の入り江

 

具志堅さんと島袋さんが明日、東京に用事で行ってしまうという事で、ここでは簡単に敷地を案内して頂いて、お話を伺って、後にする事になります。奇麗な入り江のすぐ隣りで自給自足を目指す、とても面白そうな村だと感じました。今後も注目していきたいと思います。

農業共同体見聞録20 農村青年共働学校

~訪問記~

 次の訪問先は静岡県裾野市。昭和初期、富士山南東の愛鷹山で『共働農村』の普及を目指した農本主義者、岡本利吉の『山の学校』こと「農村青年共働学校」です。

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・1日目

12月21日水曜、晴れ。今日は冬至の日です。今日は静岡の「農村青年共働学校」があった地域を訪ねました。「農村青年共働学校」は1928年、静岡県裾野市葛原で岡本利吉という農本主義者が設立した学校です。春~秋は農場で農業を行い、冬の農閑期に全国の農業青年を集めて教育し、全国への「共働農村」普及を目指しました。

 

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裾野から富士山を望む

 

 裾野市はその名の通り、富士山の南南東の中腹から、愛鷹山の北東側半分を経て、芦ノ湖南西の三国山まで、富士山の裾野に広がる町で、葛山は、東は東名高速、西は愛鷹山中腹まで東西に伸びる地域で、殆どが山です。

 

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愛鷹山

 

 詳しい場所の情報がネット上になかったので裾野図書館の裾野市史で調べた所、「裾野の街から一里半富岡村葛山奥」の「雑草と樹木とでおほはれた自然そのまゝの原野」と書いてあったので、葛山の集落から山の中に入った所のようです。詳細な場所は分かりませんでした…

とりあえず、葛原の地域に行って、そこから見える富士山や愛鷹山、集落の写真を何枚か撮っておきました。

 

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葛山付近の集落

 

 岡本利吉は農村青年共働学校の敷地として40haの山林を購入し、木を切り、草を刈り、土地を耕して畑を作り、13棟の建物を建てました。6年間そこで作物を育て、冬季、農業青年と共同生活をしながら、教育を施していたという事で、結構な規模の施設があったものと思われます(施設の詳細も不明です、すみません…)。

 

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愛鷹山山中

 

 彼は1885年に高知市で生まれ、東京で社会主義者として活動し、1928年農村青年共働学校を開設しました。彼は当時の日本の人口増加による食料不足の解決策として、山を利用する生産共働の産業組合組織を全国に設立する事を目指し、農業青年を集めて教育しようとしました。実際に山林を開墾し、稲、麦、さつま芋といった作物を作り、また、デンマークの国民高等学校を手本として、毎年12月から3月まで、日本全国の農業青年を集め、労働と教育を施しながらの共同生活に従事しました。

 

 1927年の東京朝日新聞に、彼が目指した『共働組織』について、「この村は「主人のない村」で村民はすべて共働し『労力は節約されて新生産を興し、新生産の収入は蓄積されて共働組織へ資本が充実し資本の充実は労働能率を高め、これはさらに新生産を起す』原動となるというふじゅん環経済がこの村の組織の基となってゐる。」と、農村青年共働学校について「生徒も無月謝の代わりに、講師も無報しうで、朝は教育、午後は労働にしたがふので、一ケ年で卒業し、卒業生は全国に分布して、共働農村の普及を図るのである」と説明されています。

 

 ただ、この活動は地元の人の理解を得られず、結局、6年で終わってしまいますが、この学校には多い時には、100人以上が参加し、「山の学校」の愛称で親しまれたと言います。

 

 そして岡本利吉は後年、農本主義者の団体を設立したり、美愛卿純真学園という学校を開校したり、人工言語ボアーボム」を発明したりした後、1963年に亡くなりました。

農業共同体見聞録19 新しき村

~訪問記~

 今回は関東、埼玉県入間郡毛呂山町。約100年前、文豪 武者小路実篤と仲間達が設立した、現存する日本最古の農業共同体「新しき村」です。

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新しき村美術館

 

・1日目

 12月16日(金)、今日は埼玉県入間郡毛呂山町の、文豪 武者小路実篤らが設立した、現存する日本最古の農業共同体「新しき村」に来ました!

 新しき村は埼玉県西部の関東平野西端、秩父山地東麓の、のどかな丘陵地帯にあります。関東平野西部を走って、昼過ぎに到着!

 

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秩父山地

 

 県道30号線から西に入り、JR八高線の線路を渡ると、新しき村に入ります。

 

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新しき村入口

 

 村には、所有地10ha、借地3haに、村民が住む住居が十数棟、食堂・ステージ・浴場・売店・事務所の入った公会堂兼食堂、美術館、ギャラリー、田んぼ、畑、茶畑、椎茸ハウス、ソーラーパネルなどがあります。

 

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新しき村ギャラリー

 

 明治後期から昭和前期頃、日本各地で作家や知識人、社会主義者が農業共同体や、農民・農家子弟向けの私塾を開きましたが、現在、新しき村以外は存在しません。また、戦後、日本各地で農業共同体や農業コミューンが結成されましたが、殆ど短命で終わってしまいました。その様な中で、2016年現在で設立98年、2018年には設立100周年を迎える、日本最初期の農業共同体にして、現存する日本最古の農業共同体が、新しき村です。

 

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田んぼ

 

 1918年、宮崎県で武者小路実篤の「人間らしく生きる」「自己を生かす」社会を設立する構想に賛同した仲間15人が村を設立し、家を建て、畑を作りました(日向新しき村)。ですが、設立から約20年後、村はダム建設でダムの底に沈む事になってしまいます。そこで1939年、埼玉県入間郡毛呂山町に1.3haほどの土地を得て、東京支部の協力のもと、「東の村」を設立一番多い時では60人以上が新しき村で生活をしていました。

 

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椎茸ハウス

 

 1918年の設立からもうすぐ100年を迎える「新しき村」。現在は村人は十数人ほどと減っており、高齢化も進んでいるそうですが、100年前と変わらない理想と精神を保ちながら、村の人々の活動は続いています。

 

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茶畑と太陽光パネル

農業共同体見聞録18 平民学校

~訪問記~

 次の訪問先は山梨県西八代郡市川三郷町、大正時代、農村で子弟教育を施した、丹沢正作の「平民学校」です。

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・1日目

 12月04日日曜、北杜市を出発し、甲府盆地南部の西八代郡市川三郷町という地域にある、「平民学校」の跡地に向かいます。

 平民学校は、1906年、山梨県で丹沢正作という人物が近隣の農家の子弟に教育を施す為に設立した私塾です。

 山梨県西八代郡上野村(現在の山梨県西八代郡市川三郷町)という、甲府盆地南部の丘陵地帯にありました。近くの高台からは甲府盆地全体を見渡す事が出来ます。

 

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市川三郷町から甲府盆地を望む

 

 歌舞伎文化公園の近く、三珠農村広場の駐車場の裏手に細い道があり、その少し奥に広場があり…

 

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細い道

 

丹沢正作が修道庵として暮らした茅葺屋根の小さな小屋(山の家)と、顕彰碑が立っています。山の家の中には丹沢正作の写真や年表、資料が展示されています。

 

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山の家と顕彰碑

 

 丹沢正作という人物は1876年に山梨県西八代郡上野村で生まれ、東京専門学校(現在の早稲田大学)を卒業、上野村の役場の職員となり、地元で信用組合や小作組合、平民学校を設立して地域の子弟の教育にあたりました。彼はキリスト教徒であり、トルストイアンでした。有島武郎(狩太共生農団設立)や宮沢賢治(羅須地人協会設立)と通じるものがあり、作家の徳富蘆花(現在の蘆花恒春園設立)や、思想家の江渡狄嶺(百姓愛道場設立)と親交がありました。「土を愛し土を離れるな」をモットーに、地域社会の発展に尽くし、「山の先生」と呼ばれ、村人達の敬愛を集めたといいます。1926年、病気の為に亡くなりました。

 

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丹沢正作と山の家の写真

農業共同体見聞録17 ぴたらファーム

~訪問記~

 次は山梨県北杜市南アルプス八ヶ岳の麓の古民家シェアハウスで農場を営む、ぴたらファームさんです。

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・1日目

 地元、神奈川県茅ケ崎市から相模川沿いに県内を北上、相模湖から国道20号線で西に向かい、甲府盆地の市街は高速道路でワープして、合計4時間。甲府盆地北西、山梨と長野の県境の手前に山梨県北杜市があります。

 

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北杜市から八ヶ岳を望む

 

北杜市西部、南アルプスの北部山麓の田園地帯。周辺には田畑が広がり、別荘が立ち並ぶのどかな地域です。西には南アルプスが連なり、北には八ヶ岳が聳えます。

この日は夕方、ぴたらファームさんに到着しました。到着後地元の温泉に連れて言って頂き、その後、鍋を囲んでお酒を飲みつつ、皆さんのお話を伺っていました。

 

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北杜市から南アルプスを望む

 

・2日目

今朝は6時に起きて7時から出荷作業、その後、休憩やお昼休みを挟みつつ、里芋の収穫を手伝っていました。

今年は山梨も雨が多かったそうですが、里芋は雨が降ると良いらしく、過去最高の出来だと言う事でした!

 

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古民家シェアハウス

 

 生活リズムは季節によって変わりますが、私は、7時に午前の仕事を開始、12時から13時過ぎまで昼休み、13時過ぎに午後の仕事を開始、17時に午後の仕事を終了、午前、午後に30分程の休憩、という流れでした。

毎日終日、農場の仕事に携わる方もいれば、午前だけ、週数日だけ農場で働いて、別の仕事をしている方もいるそうです。私は16時前に終了したので、街の方に買い物に行き、夕食を頂き、今日もお酒を飲んでました(笑)

 

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昼食風景

 

 

・3日目

今日の午前中は、地元の幼稚園で菜園の技術指導のお手伝いです。大根や白菜、カブの収穫を一緒にやりました。子供達は元気いっぱいでした!お昼の後は、大根の収穫!保存のため、みんな畑に穴を掘って埋めます!

 

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別荘地の小屋

 

そして今日も夕食後はお酒(笑)私も持ってきた日本酒を開けます♪そして、田才さんからお話しを伺います。田才さんは札幌の出身ですが、島根の大学で農学系の勉強をして、海外を放浪し、長野で木工を学び、茨城で有機農業を学び、農をベースとした生き方に憧れ、2010年、ぴたらファームを始めました。2016年12月現在、ぴたらファームには20代~30代の男女2名ずつが暮らしていて、年明けには二人が加わり、6人になります。近隣の住民の方、農業大学校の研修生、ウーファー、も積極的に受け入れ、農業と寝食を共にるとの事でした。

 

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野菜畑とビニールハウス

 

・4日目

今日は午前中、ぴたらファームさんのシェアハウスを案内して頂きました。まずは古い日本家屋を改装した、古民家シェアハウス。1階に台所、風呂、トイレ、居間、住人の個室が、2階にゲストのスペースがあります。庭には菜園や果樹、竹林が広がり、倉庫や鶏小屋、コンポストトイレもあります。上記の住居の他に、近隣の別荘地の洋風の山小屋を借りていたり、近所の古民家を自分達で改装していたりシェアハウスを増やしています。

 

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改装中の古民家

 

 田んぼや畑は周囲に点在していて、3ha程の面積の土地で、米、麦、豆、野菜等を有機農法で栽培していて、餅、味噌、漬物、えごま油、梅干、ジャム等も生産しています。

その後はお昼休みを挟んで野菜の収穫と人参の収穫をして、夕方は温泉に行き、夕食はカニ鍋を頂きました。

 

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カニ鍋

 

・5日目

 今日は最終日、午前中はぴたらファームさんで野菜の出荷や梅干し作りを手伝い、昼食を頂き、午後は八ヶ岳周辺をドライブ。夜、ぴたらファームさんに戻って、さっさ踊りという、収穫を祝う踊りのお稽古にご一緒させて頂き、ぴたらファームの皆さんとはお別れです。死後に集合写真を撮らせて頂き、次の目的地へ向かいます。

 

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長野県富士見町から南アルプスと富士山を望む

 

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ぴたらファームの皆さんと

農業共同体見聞録16 真木共働学舎

~訪問記~

 次の訪問先は立屋共働学舎さんと同じ小谷村内「山中」、徒歩で山を登る事一時間半、茅葺屋根の日本家屋の「真木共働学舎」さんです。

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・1日目

 11月24日木曜、今日は立屋共働学舎さんを出発し、同じ小谷村内の真木共働学舎さんにお邪魔しました!

が、凄いです。何が凄いって、超ガチの山奥です。前も同じ様な事を言いましたが、今度の方が凄いです。

何せ、車じゃ行けません。駐車場で車を停めて、そこから歩いて向かいます。熊も出るので熊鈴必携です。

 

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雪の降る中、登山開始

 

自分の荷物はリュック1つ、肩掛け鞄1つでしたが、共働学舎さんの生活物資(醤油一升瓶2本)も持ち、

雪の降る峠を登って、降りて、沢を渡って、また峠を登って、降りて、沢を渡って、また峠を登って、1時間半。

 

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登って降りて…

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沢を渡って…

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登って降りて…


山の中の開けた場所に、棚田や畑、茅葺き屋根の日本家屋が立ち並ぶ、真木共働学舎さんに到着しました。

 

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真木共働学舎

 この日は到着後、母屋の今で『琉神マブヤー』のDVDを皆さんと鑑賞した後、夕食の準備をお手伝いして、夕食を頂き、歓迎の宴を開いて頂きました。

 

・2日目

 11月25日金曜、今朝は6時に起きて、鶏の世話や山羊の世話や集落の中の様子を一通り案内して頂きました。真木共働学舎さんは茅葺き屋根の日本家屋「アラヤシキ」を中心に生活しています。独身の方はここに住んでますし、全員の食事やミーティングもここで行います。ここは「アラヤシキの住人達」という映画にもなりました。

 

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アラヤシキ

 

 夫婦や家族で暮らすメンバーが住んだり、ボランティアや訪問者が滞在する住居も数軒あり、それも昔ながらの日本家屋です。他にも土蔵や棚田は昔ながらのものを使っていますし、鶏舎や山羊小屋、倉庫もあります。

 

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重家

 

 ここでは赤ちゃん、幼児、若者〜50代の人まで、老若男女20人近くが暮らしています。中には心身に病気や障害を持った方もいますが、メンバー全員、分け隔てなく、仲良く協力しながら暮らしています。

 春〜秋は田畑を耕し、米や野菜を作り、鶏や山羊や蜜蜂を飼い、卵や乳、蜂蜜をとり、みんなで交代で食事を作り、カマドで炊いたご飯を食べ、居間で語らい、冬は大半の人は立屋共働学舎に移りますが、数人は残り、屋根の雪下ろしをして、村を守ります。そろそろ冬本番。真木共働学舎の長い冬が始まります。

 

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冬支度

 

 この日は一日、大根の収穫をしたり、大根を千切りにしたり、大根の干し場を作ったりしていました。夕食後はまた、お酒を頂きつつメンバーの方にお話しを伺い、夜は更けていきます…

 

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夕食

 

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真木の畑から臨む北アルプス

農業共同体見聞録15 立屋共働学舎

~訪問記~

 次の訪問先は北海道で訪問した、「共働学舎」の発祥の地、信州、立屋共働学舎さんです。

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・1日目

 今日は松本の旅館を出発し、昨日の松本城に引き続き、今日は上田の上田城を見学!真田幸村ゆかりの地です。で、次の訪問先、小谷村の立谷共働学舎さんに向かいます。長野と新潟の県境の手前、スキーで有名な白馬村の北隣、小谷村の千国駅西方の山の方、白馬乗鞍温泉スキー場や白馬アルプスホテルがある山の中腹です。

 

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北アルプスの山並

 

 着いた時は18時近く、周囲が真っ暗で場所が分からず、近所の旅館の方に教えて頂いて、何とか到着して、そのまま夕食を頂き、部屋に案内して頂き、入浴の後、食堂で代表の宮嶋信さんにお話しを伺う事が出来ました。

 

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農場と北アルプス

 

 共働学舎は1974年、立谷の地で宮嶋眞一郎という人物が、心身に不自由を抱える人が「自労自活=自立した労働と生活」を送る為、数人の仲間と共に設立しました。宮嶋信さんも自由学園を卒業した後、父、眞一郎さんと共に共働学舎設立に最初から参加していました。現在、立屋共働学舎と真木共働学舎を併せた信州共働学舎は、宮崎眞一郎さんの二男の宮崎信さんが代表を務め、立屋、真木、それぞれにもリーダーを置いています。

 

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母屋

 

 現在、立谷共働学舎で30人程、真木共働学舎で20人程、信州共働学舎全体で50人程、乳幼児からお年寄り、心身に病気や障害を持っている人もまで、様々なメンバー所属しています。農業の仕事も、共同での生活も、決して楽ではありませんが、共働学舎発祥の地で、共働学舎の精神を守りながら、助け合いながら暮らしています。

 

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かおるハウス

 

・2日目

 今朝は5時半に起きて、6時から牛舎の掃除!動物を飼っているので朝は早いです。普段のスケジュールだと、7時半から母屋で朝食、9時前からミーティングを、9時から仕事、12時から昼食、13時半から再び仕事、夕方も動物の世話をして、18時から夕食、という流れだそうです。日曜、祝日は動物の世話以外は休みとの事です。 

 

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和牛

 

 牛舎の掃除の後、敷地内を案内して頂きました。メンバーが食事やミーティングで集う母屋や、近隣の山小屋や宿泊施設を改装した寮があり、田んぼ、畑が3ha程と、牛舎、鶏舎、工芸所、製パン所などがあります。

 

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山羊

 

 田んぼや畑で作った米や野菜は、主に自給用です。農薬や化学肥料、機械をなるべく使わずに作業しています。牛は和牛の繁殖牛、育成牛を10頭ほど飼育し、市場に出荷しています。牛舎では山羊も数頭飼っていました。 

 農作業が出来ない冬季は工芸所で仕事をしています。草木染めや本藍染めの糸を使用して、機織りをしたり、トウモロコシの皮で人形を作ったり、木製のおもちゃを作っています。また、加工食品づくりも行っています。

 製パン所とパン屋ではメンバーが食べたり、地域の人に販売する為、パン、クッキー、ケーキを作っています。

 

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 で、朝食を頂き、ミーティングをして、午前中は冬に備えて薪運びと薪積み。昼食を頂き、敷地内を散策して、午後は冬に備えて納屋の解体。夕方、また、動物の世話をして、夕食を頂き、後は自由時間です。

 

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・3日目

 今日は立屋共働学舎さんの収穫感謝祭でした!動物の世話と朝食、薪運びを済ませ、10時からスタートです!

 「かおるハウス」と呼ばれる、ログハウスのホールに、立屋、真木の50人近くのメンバーと、地域の方や関係者、協力者のお客様も同じくらい集まり、100人近い人達が所狭しとホールに集まって、収穫感謝祭スタート!

 

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感謝祭スタート

 

 まずは代表の宮嶋信さんが挨拶をしたり、礼拝をしたり、讃美歌を歌って、続いて、共働学舎のメンバーが一年の報告。今年の田んぼや畑の作物の出来や、牛、山羊、鶏などの動物の畜産物の出来を担当者が報告します。  

 

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感謝祭の報告

 そして、昼食タイム!今年の共働学舎の収穫物を贅沢に使ったご馳走が並びます!お赤飯、お味噌汁、さつま芋のサラダ、漬物、煮物、パン4種類、蕎麦饅頭、リンゴ…食べきれないほどでした!14時前に終了し、みんなで片付けておしまい!素晴らしい1日でした!

 

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感謝祭の昼食