農業共同体見聞録&農業共同体設立記

日本中の農業共同体、農業コミューン、エコビレッジ、農業シェアハウスの訪問記と、東京都西多摩郡檜原村での古民家シェア&ゲストハウスと里山シェアリングの設立記!

農業共同体見聞録04 耕せにっぽん

~訪問記~

農業共同体見聞録、4か所目は北海道と石垣島ニートやひきこもり、不登校などの若者の研修生を受け入れる、耕せにっぽんさんです。

【ウェブサイトも開設しました!纏まった情報はそちらに掲載!】

http://matsuokakenji.wixsite.com/nougyoukyoudoutai

 

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別れ際の集合写真

 

・1日目

 10月16日(日)、十勝の新得町新得共働学舎さんを出発して、国道274号線の日勝峠は通行止めだった為、(道東自動車道占冠十勝清水間が無料だと知らずに)国道38号線狩勝峠を越え、トマム占冠を抜け、国道274号線に入ります。

 

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狩勝峠から十勝方面を臨む

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星野リゾートトマム(高くて泊まれないので、見るだけ☆)

 

日高山中を抜けた所で道道462号線に入り、石勝線、道東自動車道沿いに森と畑の中を抜け、北海道の玄関口、新千歳空港の西、小樽、札幌~千歳、苫小牧の都市部西方の田園地帯、勇払郡安平町の「耕せにっぽん」さんに14時頃、到着しました。

 

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日高山中

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田園地帯から札幌方面を臨む

 

耕せにっぽんさんはニート、引きこもり、不登校といった若者を研修生として受け入れている農業法人です。過去10年間で約160人の研修生を受け入れ、その内130人程は学校への復帰や、就職、就農を果たせました。

農場の敷地は南北に住宅地、東西に森が広がる場所にあり、駅や市街地に近い一方、自然も豊かな場所です。敷地の南側に宿舎「スイッチオンハウス」やゲストハウス「試され荘」、数棟のビニールハウスが並んでいます。

 

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宿舎「スイッチオンハウス」

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古民家ゲストハウス「試され荘」

 

 到着したら早速、じゃが芋の選別のお手伝いをする事になりました。耕せにっぽんの研修生(耕し隊)やスタッフの皆さんにお話しを伺いながら選別しました。

 仕事の後は、宿舎の食堂で夕食を頂き、そのまま食堂でPCを使って、農業共同体見聞録を書きつつ、皆さんとお話しをして、お風呂に入って、23時には消灯時間です。

 

・2日目

10月17日(月)、今朝は6時に起床。朝食は7時からですが、皆さん、7時前には食堂に集まって、お世話係のマリさんが朝食の準備をするのを手伝っていました。7時45分から朝礼をして、8時30分から仕事を開始。黄色、オレンジ、紫と、カラフルなミニ人参を収穫しました。他にも、じゃが芋、さつま芋、南瓜、人参、とうもろこし、枝豆、ニンニク、キクイモ、大豆、パプリカ、ビーツ、唐辛子、契約栽培の韓国野菜を栽培していて、出来た野菜は会員さん(耕援隊)に発送したり、地元の直売所で販売したり、自分達で食べているそうです。

 

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圃場

 

12時から食堂で昼食を頂き、昼食後、食堂で社長の東野さんやメンバーの皆さんと、「人狼」ゲームをしました。学生時代に数回だけやった事がありましたが、改めてやってみるとなかなか難しいですが、面白かったです。

14時から午後の仕事開始。じゃが芋の選別と出荷の準備です。今日は特別に16時に午後の仕事を終わらせ、16時半から食堂でワークショップをやる事に。寸劇です。4、5人でチームになって、1時間で台本から寸劇を仕上げます!もちろん私も参加させて頂く事に。なかなかタイトな時間制限でしたが、何とかやり遂げました…

夕食まで食堂でまた「人狼」をやり、19時から夕食を頂き、夕食後も食堂でまた「人狼」ゲームをやって、この日は翌日が火曜で休みの為、24時が消灯です。

 

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食堂(人狼ばっかりやってた)

 

・3日目

 10月18日(日)、今日は仕事が休みの為、朝食の準備もないので、前日の夕食のカレーの残りを頂きました。そして、今後の行く先に連絡をして、準備をして、次の目的地、道北の士別に出発!と思ったら、呼び止められ、皆さんと集合写真を撮らせて頂く事に!全員は揃いませんでしたが、素敵な想いでの一枚になりました。感激!

 

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別れ際の集合写真、再掲

 

 耕せにっぽんはニートや引きこもりの研修生が多いですが、雰囲気は凄く明るく、和気藹藹としていました。「言いだしっぺ」中村さんや、社長の東野さんの明るい気さくな人柄、お世話係のマリさんの気配りと優しさ、元研修生で同じ様な過去を持ったスタッフさん、自分を変えようと努力する研修生達、耕せにっぽんのメンバー全員の前向きな姿勢が良い雰囲気を作り出していました。ニートや引きこもりなど、不規則な生活を送りながら、社会との関係を断っていた若者も、きちんと朝起きて、しっかり3食食べて、思いっきり働く事で元気になり、同じ様な悩みを持つ仲間や、親身なスタッフさんとの集団生活で社会性を取り戻せるのだと感じました。

 

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おまけ。耕せニッポンで育てたホップを使った「ひきこモルツ」

農業共同体見聞録03 新得共働学舎

~訪問記~

 農業共同体見聞録、3か所目は寧楽共働学舎さんに続いて、新得共働学舎さんの農場です。

【ウェブサイトも開設しました!纏まった情報はそちらに掲載!】

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・1日目

 10月13日(木)午前は留萌郡小平町の寧楽共働学舎さんで小麦の搬入を手伝い、お昼ご飯を頂いて、出発。

空知西部の山の中を抜け、空知北部の田園地帯を抜け、空知中央の山の中を抜け、富良野の平野部を突っ走り…

 

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空知の田園地帯

 

15時半頃、上富良野の農場付きシェアハウス「Gufoの森」さんを見学させて頂き、お話しを伺って、出発。

富良野の平野部を南下し、道道38号線狩勝峠を超えて、18時頃、新得町新得共働学舎さんに到着しました。

 

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富良野と十勝の間、狩勝峠から十勝方面を見た景色

 

新得共働学舎さんの象徴的な建物である、食堂兼住居に案内され、そこの2階で寝泊まりさせて頂ける事に!

 

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新得共働学舎の食堂兼住居

 

19時半から食堂で夕食を頂きます。宮嶋代表夫妻の隣の席が空いており、そこで二人のお話しも伺えました。新得共働学舎さんは寧楽共働学舎さんと同様、心身に障害や病気を持つ人、不登校や引きこもりなどだった人を受け入れている、NPO法人共働学舎の農場で、人数は寧楽の3倍近く、75人前後がいて、酪農とチーズ造りが主力の事業です。ここのチーズは国内外の数多くの賞を受賞、新得共働学舎の2億円以上の売り上げの大部分を占め、チーズを目当てに来るお客さんはもちろん、国内外からの視察者、研修生も数多くいるそうです。

 

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チーズ貯蔵庫

 

・2日目

 10月14日(金)、今日は5時に牛舎に行く予定だったが、3時半頃に目を覚ましてしまい、牛舎に行ってみたら、4時前から子牛の哺乳をやっている人がいて、びっくり。でも、仕事はないと言われたので、5時に出直し。

 

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牛舎

 

 5時から7時まで牛舎の掃除(牛糞の片付け)をして、7時半から朝食を頂き、8時15分からミーティング。ここの仕事は、代表や上司がメンバーに指示、命令を出すのではなく、メンバーが自分の希望や適性に合った仕事を選び、今日何をやるか、自分で決めて働きます。それでちゃんと農場が運営出来ているのだから不思議です。私は午前中は野菜の仕事を手伝うことに。南瓜の移動やハウスのネット張り、玉葱の袋詰め等を手伝いました。

 

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農場

 

 12時からお昼を食べて、14時までの休憩時間中に農場内の施設の写真を撮りまくりました。80ha近い敷地に、メンバー全員が集う食堂兼住居や、山小屋風の住居数棟、研修生寮といった生活の場や、牛舎、搾乳室、チーズ工房、豚舎、鶏舎、厩舎、羊小屋、養蜂場、田んぼ、畑、農業用ハウスといった農業施設や、カフェ兼売店「ミンタル」、都市農村交流体験施設「カリンパニ」等の施設があります。木造のお洒落な建物が多いです。

 

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カフェ兼売店「ミンタル」

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都市農村交流体験施設「カリンパニ」

 

 午後はじゃが芋の収穫です。ここでは「バイオダイナミック農法」という、有機農法で作物を育てています。今年は天候不順や台風の影響で作物の成長が悪かったそうですが、それでもじゃが芋が沢山収穫できました。

 そして、夕食後、宮嶋夫妻の部屋にお招き頂き、ワインやチーズやソーセージなどを頂きながら、宮嶋夫妻に40年近い新得農場の歴史と、メンバーの精神的な自立、新得共働学舎の経済的な自立への想いを伺いました。

 

・3日目

 10月15日(土)、朝食後、午前中はチーズ工房見学をさせて頂ける事になって、8時45分から見学スタート。新得共働学舎さんの看板商品、ナチュラルチーズの製造工程を見せて頂けました!マニュアルやセンサー等に頼らず、その日の牛乳の状態、工房の環境、チーズの状態で、作業の時間や進め方を判断する…職人の世界でした。

 

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チーズ造り

 

 午後はじゃが芋収穫、福祉系の大学生が体験に来ました。手作業でじゃが芋を拾うので、人数が多いと助かる!

 

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体験に来た学生達

 

 午後の仕事の後は夕食のコロッケ作りの手伝いです!ひたすら小麦粉と卵を付けて、パン粉をまぶしました!で、夕食を頂き、メンバーの方3人に誘われて、ボードゲームをする事に。せっかく、共同生活をしてるなら、こういう楽しみは欲しい物ですね♪そんなこんなで夜は更けて、今日で新得共働学舎さん滞在はお終いです。

 翌日は、朝食を頂き、準備をして、代表の宮嶋望さんに挨拶して、次の目的地、千歳方面へ向かいました。

 

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右の新得山、左の牛乳山の麓に農場があります。

農業共同体見聞録02 Gufoの森

~訪問記~

農業共同体見聞録、2か所目は農業共同体ではないですが、農場付きのシェアハウス、「Gufoの森」さんです。

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・1日目

 午前は寧楽共働学舎さんで小麦の搬入作業を手伝い、お昼ご飯を頂き、上富良野に向かって、出発しました。空知東部の山中を抜けて、空知の田園地帯を横切り、空知中央の山中を抜け、空知川、滝里ダム湖畔の道を走り、富良野の平野部の畑作地帯の農道を北東に向かって走り、約3時間で上富良野「Gufoの森」さんに到着しました。

 

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空知東部の山中

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空知の田園地帯

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空知川上流、滝里ダム

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富良野平野部

 オーナーの方は、仕事の都合でまだ富良野に移住していない為、「Gufoの森」を建築した、地元の大工さんに案内して頂きました。まだ、一部の内装の工事は途中でしたが、既に10月から、2人の入居者が暮らしています。

 シェアハウスの外観はお洒落なペンションの様な感じです。共用部分は暖炉のあるリビング、広々としたキッチン、綺麗な洗面所、トイレ、お風呂は数か所ずつ。個室は10室あり、全て10畳以上、窓からは富良野の雄大な自然が見えます。敷地内には造成中のシェア畑もありますし、また、ここはペット共生型のシェアハウスで、大きな動物の飼育ができる施設も構想中。敷地内の古い納屋を改装した、カフェやお店も構想中との事でした。

 「この地域はこれからもっともっと面白くなる。」そう語る大工さんの言葉がとても印象的でした。

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Gufoの森

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リビング

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シェア畑予定地

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雄大な自然

農業共同体見聞録01 寧楽共働学舎

~訪問記~

 記念すべき農業共同体見聞録、最初の訪問先は寧楽共働学舎さん。北海道生活中も訪問した、素敵な所です。

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・1日目

 10月08日(土)に地元・神奈川を出発し、茨城県大洗市でフェリーに乗り込み、10月09日(日)に北海道苫小牧市に上陸し、札幌で大学の友人と飲み、ゲストハウスで一泊。そして10月10日(月)、札幌を出発し、空は曇り、雨が降り、風が吹く、秋の日本海沿いの道を走る事3時間。留萌、小平は晴れ間が見えて、留萌の海岸の夕日や、小平の山間の夕暮れの景色や、虹の姿に感動しつつ、留萌郡小平町寧楽の寧楽共働学舎さんにお邪魔しました。

 

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石狩の海岸沿い

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留萌の夕暮れ

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小平の虹

 

 夕方、共働学舎さんに到着、夕食を頂いて、その後、農場から800m程離れた場所にある住居(元は地元の小学校の教員住宅。小学校が廃校になり、教員住宅が開いており、共働学舎さんが買い取ったもの)に住んでいる元メンバーの方(今は小平町で仕事をしており、共働学舎さんでソーセージを作る時など、人手がいる時は手伝って下さる方)の所でホルモンパーティーをするので、お邪魔しました。和気藹藹とした雰囲気で楽しかった!

 

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母屋、ベルン

 

・2日目

 10月11日(火)、今朝は5時に起床!豚舎の世話に参加します。豚舎は3階建て、1階と2階の16区画で180匹を飼育しており、竹箒で掃き、スコップで掃除して、餌をやります。7時には豚舎の世話が終わって、シャワーを浴びて、7時半から朝食を頂き、一時間ほど休憩です。8時50分に食堂にメンバーが集合し、ミーティング。週末にやった掃除、今週のメンバーの予定、今日の午前の仕事について、各メンバーが報告、発表していきます。

 

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豚舎

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食堂

 

 私は午前中は「パレットの引き取り」に行く事に。母屋の木質ボイラーの燃料となる大量の薪は、留萌の水産加工会社の輸入用の木のパレットを貰って来たものですが、場所がないので近所の農家さんの所に置かせて貰っており、それを引き取りに行きました。何人かで手で持って、トラックの荷台に載せます。…結構重かった;

引き取り後は農場内にパレットを降ろして、12時から昼食とミーティングと休憩。13時半から、パレットを解体して薪にしたり、薪を蒔き小屋の中に積む作業を行い、15時半から30分休憩し、16時からは豚のお世話。

17時半には仕事が終わり、18時から夕食を頂き、後は自由時間。朝早いので凄く眠い。すぐに寝ました。

 

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お風呂に入って、

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 後は寝るだけ☆

 

・3日目

 10月12日(水)、今日は朝夕の動物の世話はありますが、昼間の仕事は休みです。5時に起きて豚舎の世話をして、朝食を食べ、夕方まで自由時間です。代表の毛利さんは木質ボイラーに薪をくべる仕事があるとの事で、薪を運ぶ手伝いをしながら、毛利さんとお話しをして、共働学舎について色々なお話しを伺う事が出来ました。

 お昼を食べ、農場や寧楽地区の写真を撮り歩きます。15時過ぎから、毛利さんが小平市街に買い物やソーセージの配達に行くという事で、同行させて頂きました(夕方の豚舎の世話は皆さんにお任せしました^^;)。買い物やソーセージの配達を済ませながら、今度は毛利さんの生い立ちや、共働学舎に入った経緯を伺います。

18時半頃に戻ると、既に皆さんは夕食を済ませていて、毛利さんの部屋で夕食をご一緒させて頂く事になり、また色々なお話しを伺います。現代の競争社会に馴染めない人達が、自立を目指し、楽しく生きる場を守りたい、そんな毛利さん、寧楽共働学舎の皆さんの想いが、この農場の優しい、楽しい雰囲気を作っていると感じました。

 

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寧楽の景色

 

・4日目

 10月13日(木)、今朝も5時に起きて豚舎の世話をして、朝食、休憩、ミーティング後、小麦の搬入の仕事です。一袋30㎏入りの小麦数百袋を、トラックから手作業で降ろします!人数が多いから何とかなりましたが、それでも重かった…その後、私を含め3人で、小麦の袋を開けて、中身を出す作業をしましたが、これもまた、重くて重くて…なんとか午前中で半分以上は終わらせ、昼食を頂き、寧楽共働学舎さんを後にしました。

 

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寧楽を後に