農業共同体見聞録23 日向新しき村
~訪問記~
今回は九州、宮崎県児湯郡木城町。約100年前、文豪 武者小路実篤と仲間達が設立した、現存する日本最古の農業共同体の発祥の地「日向新しき村」です。
【ウェブサイトも開設しました!纏まった情報はそちらに掲載! 】
http://matsuokakenji.wixsite.com/nougyoukyoudoutai
・1日目
1月17日(火)、今日は宮崎県児湯郡木城町の、文豪 武者小路実篤らが設立した、現存する日本最古の農業共同体の発祥の地「日向新しき村」に来ました!
前日、神奈川県茅ケ崎市を出発し、高速道路をひた走り、広島の宮島SAで車中泊し、17日に関門海峡を渡り、東九州自動車道を南下し、宮崎までやってきました。
渓谷沿いの道
宮崎県中部東岸の東九州自動車道を高槻ICで降り、木城町平野部から小丸川沿いに山地に向かって、山間の渓谷沿いの県道40号線、22号線を走ります。
小丸川を堰き止めた川原ダムの湖畔に石河内の集落があり、橋を渡ってダム湖に囲まれた岬の先端に向かって、林の中の道を降りると、日向新しき村があります。
河内ダムと日向新しき村(森の向こう)
新しき村は1918年、宮崎県で文豪 武者小路実篤と仲間達が「人間らしく生きる」「自己を生かす」社会の実現を目指して設立しました。
後年、宮崎の「日向新しき村」はダム建設で大半が潰され、1939年、埼玉に「東の村」を設立、そちらに本拠地を移しました。ですが「日向新しき村」には今でも3人のメンバーが残っています。
日向新しき村
日向新しき村には、米を育てる田んぼ、野菜を育てる畑、豚を育てる放牧地、木工場、住居、新しき村記念館があります。
住人の方に挨拶をしてから、まずは新しき村記念館を見学させて頂きました。ここでは、日向新しき村の歴史の紹介や、武者小路実篤の絵や詩の作品の展示を観る事ができます。
新しき村記念館
そして、住人の方にお話を伺う事ができました。その方は、最初は埼玉の東の村に入り、宮崎の新しき村に住人が殆どいないと聞いて、移り住んできたそうです。
米や野菜は有機栽培で作っていて、豚も屋外の広い放牧地で放し飼いで育て、木工場では家具等も作っています。住居も住人が自分達の手で建てました。
手造り住居
100年近く前に成立した農業共同体が現在でも、埼玉と宮崎で活動を続けている事に、改めて感慨を覚えました。日向新しき村には、現在は老夫婦と男性一人の3人しかいませんが、誰かこういった暮らしに興味がある人がいたら、ぜひ遊びに来てほしい、と、案内して下さった男性の方は朗らかにおっしゃっていました。
日向新しき村入口